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【医師監修】AGA治療の副作用とその対策|内服薬・外用薬・注入療法ごとに解説

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AGA治療は、薄毛の進行を止め、発毛を促す高い効果が期待できる一方で、他の医薬品と同様に副作用のリスクもゼロではありません。

しかし、主に見られる副作用の多くは軽度か一時的なものであり、医師の管理下で適切に対処すれば、治療を継続することが可能です。

この記事で分かること

本コラムでは、AGA治療薬に起こりうる副作用について具体的に解説し、それぞれの対策と、副作用が発生した場合の適切な対処法、そして医師との連携の重要性を強調します。

副作用が心配な方は、初期からのフォロー体制が整ったクリニックを選ぶことが重要です。

まずは、札幌で信頼できるAGAクリニックを見つけるための情報がまとまっているページも合わせてご覧ください。

監修:山本周平(「KOBE美容皮膚科 西宮院」責任医師)紹介
周平先生KOBE美容皮膚科
西宮院 責任医師
山本周平医師

病院勤務・大手美容クリニック勤務を経て、KOBE美容皮膚科西宮院を開院。

患者のご希望の改善点をしつかり傾聴し、施術の提案から、得られる効果、ダウンタイムの症状、起こり得るリスクや痛みに至るまで、細やかに説明することを大切にしている。

また、本来必要のない施術は提案せず、最善と思われる施術のみを提案。

患者の無駄な負担を避け、美容医療を通して、患者に笑顔になっていただくことを第一としている。
所属・資格等
(一部)
日本美容皮膚科学会正会員
日本美容外科学会正会員
日本抗加齢医学会正会員
日本内科学会正会員
日本医師会認定産業医
公式サイトKOBE美容皮膚科
SNSインスタグラム

当院の女性の薄毛治療についてはこちらをご覧ください。

よくあるAGA治療薬ごとの副作用一覧

AGA治療薬の副作用は、使用する薬の種類や体質によって差があり、強く出る人もいれば、まったく出ない人もいます。これは「個人差」によるものです。

薬剤名副作用発生率(目安)備考
フィナステリド性欲減退、勃起不全約1〜2%服用中止で回復することが多い
デュタステリドフィナステリドと同様+乳房の違和感約2〜4%作用が強いため副作用も出やすい傾向
ミノキシジル外用かゆみ、赤み、ふけ約5〜10%刺激性の接触皮膚炎など
ミノキシジル内服動悸、むくみ、多毛症約10〜15%日本未承認のため慎重な判断が必要

効果と副作用のバランスを見ながら、用量調整や薬の変更で対応していくことが現実的な選択になります。

主要AGA治療薬ごとの副作用の詳細

副作用の種類フィナステリド
(プロペシア)
デュタステリド
(ザガーロ)
ミノキシジル
(内服・外用)
性機能障害あり(ED、性欲減退など)あり(ED、性欲減退など)なし
乳房の変化なしあり(圧痛・肥大)なし
肝機能障害あり(倦怠感など)あり(倦怠感など)なし(報告はほとんどなし)
アレルギー反応あり(蕁麻疹など)あり(蕁麻疹など)外用薬であり(発疹・発赤など)
初期脱毛あり(治療初期に一時的)
多毛症(体毛増加)あり(特に内服で高頻度)
循環器系の症状あり(めまい、動悸、むくみなど)
頭皮のかゆみ等外用薬であり(かぶれ、かゆみ)

フィナステリド(プロペシアなど)の副作用

フィナステリドの主な副作用として、性機能障害が報告されています。

▼性機能障害

勃起機能障害(ED)、性欲減退、精液減少、射精障害などが挙げられます。これらの症状は、フィナステリドが男性ホルモンに作用することに起因すると考えられていますが、その発生率は極めて低いとされています。

▼肝機能障害

全身の倦怠感として現れる肝機能障害も稀に報告されています。

▼アレルギー反応

蕁麻疹などのアレルギー反応も稀に起こりえます。

特に重要な注意点として、フィナステリドは女性や未成年者の服用が厳しく禁止されています。妊娠中の女性が服用すると、男子胎児の生殖器発達に影響を及ぼす可能性があるため、錠剤に触れることさえも避けるべきとされています。

デュタステリド(ザガーロなど)の副作用

デュタステリドもフィナステリドと同様に、性機能障害が副作用として報告されています。

▼性機能障害

勃起機能障害(ED)、性欲減退、精液減少、射精障害などが挙げられます。

▼乳房障害

乳房の圧痛や肥大といった乳房障害も発生頻度1%未満で報告されています。

▼肝機能障害

全身の倦怠感として現れる肝機能障害も稀に報告されています。

▼アレルギー反応

蕁麻疹などのアレルギー反応も稀に起こりえます。

デュタステリドもフィナステリドと同様に、女性や未成年者の服用は禁止されています。高齢者の場合、成分の代謝や排泄が遅延することで副作用の発生率が高まる可能性があるため、十分な注意が必要です。

ミノキシジル(内服薬・外用薬)の副作用

ミノキシジルは発毛効果が高い一方で、特有の副作用が知られています。

▼初期脱毛

治療開始後2〜8週間程度に見られる一時的な抜け毛の増加は、薬が作用している証拠であり、心配する必要はありません

▼多毛症

頭髪だけでなく、全身の体毛が濃くなったり増えたりする現象です。ミノキシジル内服薬ではほぼ100%の患者様に起こるとされており、その発毛効果の強さを示しています。

▼循環器系への影響

ミノキシジルは元々高血圧治療薬として開発された経緯があるため、血圧低下による症状が現れることがあります。具体的には、めまいや立ちくらみ、動悸、息切れ、不整脈などが挙げられます。また、末梢血管の拡張により、手足や顔のむくみが生じることもあります。むくみは一過性であることが多いですが、急激な体重増加や息切れを伴う場合は、心臓や腎臓への負担の可能性も考えられるため注意が必要です。

▼頭皮の炎症・かゆみ(外用薬)

ミノキシジル外用薬では、製品に含まれるアルコールやプロピレングリコールなどの成分に対する刺激反応として、頭皮のかゆみ、かぶれ、発疹、発赤などが生じることがあります。

AGA治療薬の種類と効果についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

AGA治療で副作用が起こる理由と注意点

ホルモンバランスに関わるため

5αリダクターゼ阻害薬(フィナステリド・デュタステリド)は、DHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで効果を発揮しますが、これはホルモンに関係するため、性機能への影響が出る可能性があります。

ただし、血中のDHTを抑えることと性機能全体を抑えることはイコールではなく、実際に影響が出る人は一部に限られます。症状が気になる場合は早めに医師へ相談し、用量変更や他薬への切り替えを検討しましょう。

全身作用と局所作用の違い

ミノキシジルのような薬は、外用なら頭皮のみに、内服なら全身に作用します。副作用の出方にもこの範囲の違いが影響します。外用ミノキシジルでかゆみや湿疹が出た場合は塗布頻度や濃度の調整、内服で動悸が出る場合は服用中止や用量の見直しが基本です。

副作用を最小限にするための対策

副作用の兆候を感じた場合、最も重要なのは自己判断で薬の服用を中断したり、量を調整したりしないことです。無理に我慢するのではなく、医師と相談しながら最適な治療法へとシフトしていくことが重要です。

対策内容
担当医に相談する副作用の症状が現れた場合は、速やかに治療を担当する医師に連絡し、その症状を伝えることが不可欠です。
自己判断で服用を続けると、症状が悪化する可能性もあります。
薬の量を見直す医師の判断により、薬の量を調整することで副作用が軽減される場合があります。
自己判断での減量は、治療効果を損なう可能性があるため注意が必要です。
薬の種類を見直す現在使用している薬が体質に合わない場合、別の種類の治療薬に変更することで、副作用を感じなくなる可能性があります。
生活習慣の見直し栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理、禁煙・節酒は、体調を整え、副作用の軽減や体全体の健康維持に役立ちます。
ストレスは薄毛を悪化させるだけでなく、副作用の症状を増悪させる可能性もあります。
定期的な診察・検査定期的な血液検査や体調チェックを行ってくれるクリニックを選びましょう。
これにより、異常を早期発見し、適切な対応が可能です。
他の薬剤との相互作用に注意現在服用中の他の薬がある場合は、必ず医師に伝えるようにしてください。
薬の相互作用により、副作用が強く現れる可能性も考慮されます。

AGA治療における副作用の多くは「ゼロにはできないが調整可能」なものです。

よくあるQ&A|副作用とその対処について

Q:副作用が出たらすぐ中止すべき?

軽度な症状であれば、用量の調整や塗布方法の見直しで改善されることも多いため、自己判断での中止は避け、まずは医師に相談を。特にホルモン系の薬は急な中断で抜け毛が増えるケースもあるため注意が必要です。すぐにクリニックへ行けない場合には、基本的に服用を中止しても問題ありませんが、その後必ず医師へ相談しましょう。

Q:副作用が怖くて治療を始められません

不安な方は、副作用のリスクが低い治療から始めることもできます。たとえば、外用ミノキシジルだけを使ってみる、低用量の内服薬からスタートする、といった方法です。無料カウンセリングを行っているクリニックも多いので、まずは相談だけでもしてみると気持ちが楽になります。

Q:副作用が出やすい人の特徴は?

体質によるところが大きく、特にホルモン感受性が強い方や、心身のストレスが多い方に出やすい傾向があります。また、もともと持病がある場合や複数の薬を服用している場合は、副作用のリスクが高くなるため、事前に医師に申告しておきましょう。

まとめ:安全かつ効果的なAGA治療のために

AGA治療は長期にわたるため、医師との継続的な連携が不可欠です。副作用が出た場合、自己判断で薬を減量したり中止したりせず、必ず医師に相談すべきです。個人輸入の薬の危険性も指摘されており、安全性の保証されていない製品の使用は避けるべきです。

治療を開始する前に、副作用について十分な説明が行われるクリニックを選ぶこと、そして定期的な血液検査や体調チェックを行ってくれるクリニックを選ぶことが重要です。

AGA治療薬の種類と効果について、さらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。

AGA治療にかかる費用相場については、こちらのコラムで詳細をご確認いただけます。

オンラインで手軽に治療を始めたい方は、AGAオンライン診療のメリット・デメリットも参考にしてください。

薬物治療で効果が得られない場合の選択肢として、植毛治療についてもこちらのコラムで解説しています。

ご自身の症状に合った最適な治療薬を見つけるためには、専門医による診断が不可欠です。札幌で信頼できるAGAクリニックを見つけるための情報は、こちらのページで詳しくご紹介しています。

主要AGA治療薬の副作用と対策比較表

治療薬主な副作用発生頻度(目安)対策・対処法
フィナステリド性機能障害(ED、性欲減退など)、肝機能障害、アレルギー反応低い(性機能障害は約1〜2%)医師に相談し、薬の量や種類を見直す。
女性・未成年は服用・接触禁止。
デュタステリド性機能障害、乳房障害、肝機能障害、アレルギー反応低い(性機能障害は約2〜4%、乳房障害は1%未満)医師に相談し、薬の量や種類を見直す。
女性・未成年は服用禁止。
ミノキシジル(内服薬)初期脱毛、多毛症、めまい・立ちくらみ、動悸・息切れ、むくみ高い(初期脱毛、多毛症は8割〜ほぼ100%)初期脱毛は継続。多毛症が気になる場合は医療レーザー脱毛や外用薬への切り替えを検討。
循環器系症状は医師に相談、減薬や中止も。
ミノキシジル(外用薬)頭皮の炎症・かゆみ・発疹、初期脱毛、多毛症発生する可能性あり使用中止し医師に相談、代替薬や低濃度品を検討。
正しい塗布方法を守る。
全般担当医に速やかに相談。自己判断での中断・減量は避ける。
生活習慣の改善。