女性の薄毛、FAGAを徹底解説!原因、症状、そして治療法まで

女性の薄毛は、男性だけでなく、多くの女性が抱える悩みですよね。
中でも、FAGA(女性型脱毛症)と呼ばれるタイプの薄毛には、特有の原因や症状、治療法があります。
この記事では、FAGAの原因や症状、そして最新の治療法について詳しく解説します。
FAGA(女性型脱毛症)とは?
FAGA(Female Androgenetic Alopecia)とは、女性ホルモンのバランスの乱れが主な原因とされる薄毛のことで、頭頂部や分け目付近から徐々に髪が細くなり、薄くなっていくのが特徴です。
20代や30代の若い女性でもFAGAを発症することがあります。更年期に多いですが、若年層でも起こり得る問題です。適切な治療を早期に開始すれば、症状の改善や進行の抑制が可能です。
引用:大阪AGA加藤クリニック
FAGAの主な原因
FAGA(女性型脱毛症)の原因は、主にホルモンバランスの乱れによるものと考えられていますが、完全には解明されていません。いくつかの要因が複合的に影響しているとされます。
1. 加齢や出産によるホルモンバランスの乱れ
卵巣から分泌される女性ホルモン「エストロゲン」は、髪の成長を促進する役割があります。
しかし、加齢や出産によってエストロゲンが減少すると、ホルモンバランスが乱れ、薄毛につながる可能性が高まります。
2. 自律神経の乱れ
ストレスや睡眠不足により自律神経が乱れると、ホルモンバランスが崩れ、FAGAのリスクが高まります。
健康的な生活習慣を心がけることで、このリスクを軽減できるでしょう。
3. 栄養不足
過度なダイエットや偏った食事により髪に必要な栄養素が不足すると、正常な育毛が妨げられ、抜け毛が増加することがあります。
4. ストレス
慢性的なストレスは、血行不良を引き起こし、毛根への栄養供給が不十分になり、薄毛が進行する要因となることがあります。
5. 遺伝的要因
遺伝もFAGAの一因とされています。
DHT(ジヒドロテストステロン)への感受性が遺伝することで、薄毛が進行しやすい体質となることがあります。
6. 生活習慣
喫煙や飲酒、睡眠不足、不適切なヘアケア、過度な紫外線なども、FAGAの進行を促進する要因となる可能性があります。
これらの要因を理解し、適切な対策を講じることで、FAGAの進行を遅らせたり、症状を改善したりする可能性が高まります。
専門医に相談し、個々の状況に合わせたアプローチを検討することをおすすめします。
FAGAの症状

FAGAは、AGA(男性型脱毛症)とは異なり、髪全体が細くなり、徐々に薄くなるのが特徴です。
完全な脱毛に至ることは少なく、頭頂部や分け目の髪の密度が目立って減少していきます。
主な症状 | 詳細 |
---|---|
髪の細さ・密度の減少 | |
頭頂部の薄毛 | |
早期発見の難しさ |
FAGAとAGAの違い
男性と女性の薄毛には、原因や進行の仕方に大きな違いがあります。
男性は主にAGA(男性型脱毛症)が原因で薄毛を発症しますが、女性はFAGA(女性型脱毛症)やびまん性脱毛症が主な原因です。
両者はメカニズムや症状に違いがあり、それに伴う治療法も異なります。
以下の表で、FAGAとAGAの主な違いを確認しましょう。
特徴 | FAGA(女性型脱毛症) | AGA(男性型脱毛症) |
---|---|---|
発症メカニズム | ホルモンバランスの乱れや加齢などの多様な要因が絡み合い、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって発症 | 男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が毛根に悪影響を与える |
脱毛部位 | 頭頂部や全体的に均一に髪が薄くなるが、完全に髪がなくなることは珍しい | M字部分(前髪の生え際)や頭頂部が局所的に薄くなり、進行すると完全にツルツル状態になることもある |
進行の特徴 | ゆっくりと進行し、髪全体のボリュームが減少する | 進行性であり、対策を行わないと比較的早く進行することが多い |
治療法 | ホルモンバランスを整えることを重視した治療や、髪質の改善に焦点を当てた治療法が選ばれることが多い | DHTの生成を抑制する薬物治療が主流 (フィナステリドやデュタステリドなど) |
効果の特徴 | ゆっくりと改善し、髪のボリュームが戻ることを目指す | 比較的早く効果を感じられることが多いが、治療を止めると再び進行する可能性がある |
FAGA(女性型脱毛症)は、ホルモンバランスや加齢など複数の要因が関与するため、AGAとは異なり、全体的に髪が細くなるものの、完全に髪がなくなることは珍しいです。
一方、AGAは男性ホルモンの影響で局所的に目立つ脱毛が見られることが多く、比較的早く進行するのが特徴です。
そのため、治療方法もそれぞれの症状に適したアプローチが求められます。

KOBE美容皮膚科クリニック 医師 周平
FAGAは髪全体が細くなり、頭頂部や分け目が目立つのが特徴で、完全な脱毛に至ることは少ないです。AGAと異なり、ホルモンバランスや加齢など複数の要因が関与するため、治療にはホルモンバランスを整えるなど女性特有のアプローチが必要です。早期発見が難しいため、髪の変化に気づいたら早めに専門医に相談しましょう。
FAGAの治療方法

FAGA(女性型脱毛症)の治療方法は、内服薬、外用薬、サプリメント、注射、セルフケアに至るまで多岐にわたります。
症状の進行度や個々の体質によって最適な治療法は異なるため、専門医による診断と処方を受けることをおすすめします。
以下に、FAGA治療で用いられる代表的な薬や方法を紹介します。
内服薬
内服薬は、体内から薄毛の進行を抑制し、発毛を促進する効果が期待できます。
FAGA治療においてよく使用される内服薬は以下の通りです。
称 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
スピロノラクトン | ホルモンバランスを整える | 血圧低下、めまい |
パントガール | 髪の成長に必要な栄養素を補給し、発毛環境を整える | 副作用なし (妊娠中・授乳中は要相談) |
ミノキシジル | 血行促進により髪の毛への栄養供給を増加させ、発毛を促進する | 初期脱毛、体毛増加(多毛症)、心血管系の副作用 |
患者さんの体質に適した薬の成分になるよう配合する「オーダーメイド処方」を実施しているAGA頭髪治療専門クリニックもあります。 オーダーメイド処方は、患者さんへの体の負担が少ない点が最大のメリットと言えるでしょう。
外用薬
外用薬は、頭皮に直接塗布して局所的に発毛を促す治療法です。
内服薬と比較して、体への負担が少ない傾向があり、軽度から中度の薄毛症状に適しています。
名称 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
ミノキシジル | 血行促進により発毛を促進する | 初期脱毛 |
アルプロスタジル | 血管拡張作用による血行促進で発毛をサポート | 副作用なし |
注射治療
HARG療法やPRP治療など、頭皮に直接成分を注入する治療方法もあります。
これらは内服薬や外用薬と併用することで、より効果を感じやすくなる可能性があります。
治療法 | 効果 | 副作用 |
---|---|---|
HARG療法 | 成長因子を頭皮に直接注入し、細胞の再生を促す | 痛み、腫れ |
PRP療法 | 自身の血液を用いて頭皮の再生を促す | 痛み、腫れ |
サプリメント
亜鉛、ビオチン、アミノ酸などのサプリメントによって、内服薬や外用薬による治療をサポートすることができます。
不足しがちな栄養素を補うことで、発毛環境を整える効果が期待できます。
セルフケア
日常生活でもセルフケアを取り入れることで、薄毛治療をサポートすることができます。
- 頭皮ケア:頭皮を清潔に保ち、保湿を行うことが大切です。
- ヘアケア:ダメージを受けた髪はトリートメントで保護し、髪の健康を維持しましょう。
- 頭皮マッサージ:血行を促進するために、入浴後に行うと効果を感じやすくなるでしょう。
これらの治療法やセルフケアを組み合わせることで、FAGAの進行を遅らせ、髪の成長を促すことが可能です。

KOBE美容皮膚科クリニック 医師 周平
FAGAの治療は、内服薬や外用薬、注射治療、サプリメント、セルフケアなど多岐にわたります。症状や体質に応じた治療法を選択することが重要で、専門医の診断を受けることをおすすめします。特に、内服薬や注射治療は効果が高い一方で副作用もあるため、医師の指導のもとで適切に進めることが大切です。
FAGA治療の注意点と予防策
女性型脱毛症(FAGA)の治療を成功させるためには、正確な知識と適切な対策が鍵となります。
治療を進める上では、体質や症状に合わせた治療法を選び、無理なく続けることが大切です。
さらに、予防策も取り入れることで、発毛効果の持続や進行の抑制が期待できます。
ここでは、FAGA治療における主なポイントと、予防策についてご紹介します。
治療法の選択は医師の判断を仰ぐ
FAGA治療には外用薬、内服薬、メソセラピーなどの方法がありますが、それぞれ効果や副作用が異なるため、自己判断での治療は避けましょう。
特に内服薬や外用薬は、副作用のリスクを伴うことがあるため、医師の診断を受け、自分に適した治療法を見つけることが重要です。
治療開始後も、医師と定期的に相談しながら進めていくことをおすすめします。
ヘアケア製品の選び方に気をつける
育毛剤やシャンプーなどのヘアケア製品は、体質に合わないものを使用すると頭皮環境が悪化し、逆効果になることがあります。
市販の育毛剤を使う際は、まずAGA治療専門クリニックで相談し、自分の頭皮や髪の状態に合った製品を選ぶことが大切です。
シャンプーもそれぞれに特徴があります。現在のように洗髪頻度がある程度多くなると、毎日のシャンプーが頭皮に影響することもあります。デリケートになりがちなFAGA/FPHLの女性には、優しい洗浄力で低刺激の「アミノ酸系シャンプー」などもよいでしょう。
引用:クレアージュ
まとめ
FAGAは、多くの女性にとって深刻な悩みの一つですが、適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できる場合があります。
この記事でご紹介した情報を参考に、専門医に相談し、ご自身に適した治療法を探してみてはいかがでしょうか。

記事監修医師プロフィール
KOBE美容皮膚科 西宮院
周平先生
国立神戸大学医学部卒業
製鉄記念広畑病院勤務(形成外科・皮膚科・内科)
湘南美容クリニック勤務(美容外科・美容皮膚科)
神戸朝日病院(皮膚科・内科)
複数の美容クリニックにて勤務、院長を歴任(美容外科・美容皮膚科)
2019年8月〜西宮SHUHEI美容クリニック 責任医師
2023年2月〜KOBE美容皮膚科 責任医師